エッセイ · 現代アート

J.P. スニアデッキ(J.P. Sniadecki)、ジョシュア・ボネッタ(Joshua Bonnetta)「El Mar La Mar」2017年。

J.P. Sniadecki, Joshua Bonnetta, El Mar La Mar, 2017.

J.P. スニアデッキ、ジョシュア・ボネッタ「El Mar La Mar」2017年


J.P. スニアデッキ、ジョシュア・ボネッタ。「El mar la mar」のスチル。2017年。デジタルシネマ(カラー、サウンド)、94分。ニューヨーク近代美術館。J.P. スニアデッキより購入

J.P. スニアデッキとジョシュア・ボネッタは、ドキュメンタリーと実験映画を混ぜ合わせた作品「El Mar La Mar」をつくるのに3年を費やした。現像に時間を要する16mm フィルムを使うという選択が、その歩みをさらに遅くした。この熟慮のプロセスから、ソノラ砂漠と、そこを貫くアメリカとメキシコの国境の、繊細な肖像が生まれた。「実のところ、国境についての映画をつくろうとしていたわけでもなかった」と、スニアデッキは当初の狙いについて語った。「砂漠についての映画をつくろうとしていた。たまたまそこを横切る国境があるというだけ。私たちはこの空間を理解しようとしていた」。

彼らが見いだしたのは、危険でありながら美しい土地だった。スニアデッキとボネッタは観る者をその矛盾のなかに浸す。昼夜を問わず、あらゆる天候のもとで撮影された、寄りの細部、広大な眺め、ほとんど抽象的な映像からなる三章のコラージュ。砂漠の音は、その光景と同じほど鮮やかに前面に置かれる。全編を通して重ねられる声が、アメリカへ越境する移民の過酷な経験を織り込む。国境警備隊員、住民、移民のために水を置いていくボランティアの視点。遺体を見つけるハイカー。そして、ある男が語るところでは、砂漠のどこかに棲む怪物。

J.P. スニアデッキ、ジョシュア・ボネッタ「El mar la mar」(2017)