エッセイ · 現代アート
SUPERFLEX. One Two Three Swing!
ひとりなら、揺れる。三人でリズムを合わせれば、飛ぶ。
Tate Modern · Tate Modern
ホールを貫くオレンジの線
2017年10月、ロンドンのテート・モダンのタービン・ホールは、人々が立って眺めるのではない作品で幕を開けた。人々はそれに座った。デンマークのコレクティブ SUPERFLEX による「One Two Three Swing!」。このホールのために制作される作品シリーズ、ヒュンダイ・コミッションの三作目である。
オレンジの鋼の線が空間を走っていた。曲がり、上がり、下がり、向きを変える。そこからブランコが吊り下がっていた。どれも座席が三つあった。
線は壁で止まらなかった。テートによれば、線はギャラリーを横切り、建物の南側の風景の中へと出ていった。外でも、通りがかった人が座ることができた。
作品は2017年10月3日から2018年4月2日まで、誰でも無料で公開された。サウス・タンクス脇の屋外のブランコは2018年11月4日まで残った。
三人、ひとつのリズム
ひとりでブランコに乗るなら、自分で漕ぐ。ひとつのブランコに三人なら、互いを見ていなければならない。誰が蹴り、誰が身を反らすのか、いつ。リズムが合わなければ、ブランコはぐらつき、どこへも行かない。合えば、飛ぶ。
SUPERFLEX はこの作品を、人の力で動く振り子と説明する。ブランコは位置エネルギーを共有された動きに変える。乗り手は重力そのものを使い、落ちることが飛ぶことに変わる地点まで勢いを積み上げていく。
テートは、二人と一緒にブランコを漕ぐことはひとりで漕ぐより多くの可能性を秘め、三人の共有されたエネルギーは重力に抗う、と書いた。物理についての一文だ。共に生きることについての一文でもある。
ひとつのブランコの三人は、たまたま近くに立っていた見知らぬ者同士であることが多い。数回揺れるだけで、彼らは話し出し、リズムが崩れると笑い、数える。いち、に、さん。
コレクティブと遊び
SUPERFLEX は1993年、デンマークの三人のアーティスト、ビョルンスティエルネ・クリスチャンセン (Bjørnstjerne Christiansen)、ヤコブ・フェンガー (Jakob Fenger)、ラスムス・ニールセン (Rasmus Nielsen) によって結成された。テートは彼らを、遊び心に満ちた破壊的なインスタレーションと映像によって紹介する。彼らはコレクティブとして活動し、その作品の多くは、他の人が参加して初めて完成する。
「One Two Three Swing!」について、SUPERFLEX は遊びの力と、共に働くことの可能性を語る。彼らはそれを、集団のエネルギーを活性化する実験と呼ぶ。実験という言葉が大事だ。見知らぬ三人がどこまで高く上がるのか、前もって知る者はいない。
作品のページで、テートはある人の言葉を引いている。人に言えないほど長いあいだブランコに乗っていなかったが、座った瞬間に再起動したように感じた、と。多くの大人が同じように感じたのだろう。ブランコは子どもの遊具だ。大人が人前でそれに乗ることを自分に許すことはめったにない。
タービン・ホールは以前にも人々を普段と違うふるまいへ誘ってきた。2010年、アイ・ウェイウェイ (Ai Weiwei) はその床を何百万もの磁器のヒマワリの種で覆った。SUPERFLEX はさらに一歩進んだ。作品の中に入るだけでなく、作品を動かすところまで。
線は続く
ロンドンのあとも作品は旅を続けた。SUPERFLEX によれば、「One Two Three Swing!」は2018年にボンとコペンハーゲンに一時的に設置され、2019年には Real DMZ Project のためにドラ展望台に置かれた。朝鮮半島の南北を分ける非武装地帯の近くである。2020年には二つの常設版が生まれた。ひとつは Desert X のためのアルウラに、ひとつはデンマークのヴォーディングボーに。2023年には、さらにひとつの常設版がドラサン駅に設置された。
場所ごとに、オレンジの線は違う意味を持つ。ロンドンの美術館では遊びだ。分断の境界の近くでは、三人が一緒に揺れることが、越えていくことの像になりうる。コレクティブは、線はギャラリーの壁を越え、都市の風景へ、さらに広い世界へと伸びていると言う。まるで終わりがないかのように。
作品は理解されることを求めない。ただ座り、ロープを握り、隣の二人を待つことだけを求める。