エッセイ · デザインとしてのファッション

「Africa Fashion」。

Africa Fashion.

まず服に挨拶し、それから着る人に。

V&A の「Africa Fashion」。ランウェイに並ぶアフリカのデザイナーの服

© Nabil Zorkot · Victoria and Albert Museum (V&A)



一つの大陸、たくさんの声

「Africa Fashion」は2022年7月2日に V&A サウス・ケンジントンで開幕し、2023年4月16日まで続いた。美術館はこれを、大陸そのものと同じほど多様なファッションの活力と世界への広がりを概観する展覧会と説明した。

その範囲は二十世紀半ば、多くのアフリカの国々が独立を勝ちとった数十年から始まり、今日のデザイナーにまで及んだ。服だけを見せたのではない。写真、テキスタイル、音楽、視覚芸術が、服のまわりの場を組み立て直した。

展示室には人と場所の名が行き交っていた。ナイジェリア、ガーナ、ケニア、エチオピア、モロッコ、カメルーン、南アフリカ。ラゴス、アブジャ、ヨハネスブルグ、アディスアベバ。そして多くのアフリカのデザイナーがコレクションを発表するパリ。

題は広大な区分のように響く。来場者が実際に見たのは具体的な物だった。一つひとつに作り手と、都市と、年がある。

まず布、それから服

展覧会の土台は布だった。ナイジェリアの藍染めの布、アディレ。濃い青に淡い模様があり、1965年から V&A の所蔵品となっている。1900年から1949年のあいだにガーナでつくられた多色の綿布。これらの布は、どのデザイナーの名よりも先にある。

やがて布は新しいデザインに入っていく。アブジャのンクォ・オンウカ(Nkwo Onwuka)は、2019年春夏の Who Knew コレクションを DAKALA CLOTH でつくった。淡い青、深い青、白に染めたヘッドピース、ジャケット、スカート。Lagos Space Programme は、着る人より先に服に挨拶するという言い回しにちなんだ2021年のコレクションのために、斑点のある青のボタン付きドレスとビーズの仮面をつくった。

先駆者たちが若いデザイナーと並んだ。V&A が先駆的なモロッコのデザイナーと呼ぶナイマ・ベニス(Naima Bennis)は、長いドレスとフード付きケープ姿でモノクロ写真に登場する。クリス・セイドゥ(Chris Seydou)は、白い模様の縁取りのある黒いスカートと半袖ジャケットで紹介された。コフィ・アンサー(Kofi Ansah)は、2014年にガーナで行われたアシュリー・ショー=スコット・アジャイとデイヴィッド・アジャイの結婚式のために、鮮やかなオレンジのアンサンブルをつくった。

今日のランウェイはいたるところにあった。イマン・アイシ(Imane Ayissi)は2019年秋冬、パリで Mbeuk Idourrou コレクションを発表した。メタリックピンクのパンツ、トップ、房飾りのケープ。ケニアの IAMISIGO は2020年秋冬に Chasing Evil をつくった。ヨハネスブルグのテベ・マググ(Thebe Magugu)は2021年秋冬に Alchemy をつくり、そこにはクリーム色のパッチワークのスーツと、あごの下で結ぶ大きな麦わら帽子があった。モロッコの Maison ArtC は2021年に The Trench をつくった。黒い手形に覆われた半透明の装い。

どう見られるかを選ぶ

最も記憶に残ったのは写真かもしれない。カメルーンの Studio Kameni は、白いシャツに帽子とサングラスの二人の男を撮った。椅子にもたれ、背後には花瓶。1977年、サンレ・ソリー(Sanlé Sory)は「Je Vais Décoller」、私は飛び立つところ、を撮った。背景幕に描かれた飛行機に乗り込もうとする人物。

こうしたスタジオの肖像写真は、雑誌の意味でのファッション写真ではない。人々が依頼し、いちばん良い服を着て、座り方を選び、背景幕を選んだ。ここでのファッションは、他人の前にどう現れるかという決定である。

現代の像もそれを受け継ぐ。グレド・アーメド(Gouled Ahmed)はエチオピアで Addis Foam シリーズの自画像を撮った。ヘッドピース、顔の装身具、鼻のピアスをつけて。カメラの後ろにいる人と前にいる人は同じだ。

「Africa Fashion」は一つの大陸を一つのスタイルに押し込もうとしなかった。声を並べて立たせた。それぞれの都市と時代とともに。歩いていくうちに、来場者は気づく。問いはアフリカのファッションがどう見えるかではない。誰が自分の像を決めるのか、どんな物によってか、である。


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