エッセイ · デザインとしてのファッション

「Balenciaga: Shaping Fashion」展

Balenciaga: Shaping Fashion.

形は私たちが見るもの。構造はそれを支えるもの。

V&A の「Balenciaga: Shaping Fashion」展:体から離れて立つ広いシルエットの、クリストバル・バレンシアガのクチュール

© Victoria and Albert Museum, London · Victoria and Albert Museum (V&A)



百年、八十年

「Balenciaga: Shaping Fashion」は、2017年5月27日から2018年2月18日まで、ロンドン、サウス・ケンジントンの V&A で開かれた。時期は意図されたものだった。2017年は、クリストバル・バレンシアガがスペインのサン・セバスティアンに最初のメゾンを開いてから100年、パリに名高いメゾンを開いてから80年にあたる。

V&A はイギリス最大のバレンシアガ・コレクションを所蔵している。それを始めたのは1970年代、バレンシアガの長年の友人だった写真家セシル・ビートンである。

展覧会では、バレンシアガ本人、彼の弟子たち、彼の伝統に連なる現代のデザイナーたちによる服と帽子が100点以上並んだ。焦点は1950年代と1960年代、おそらく彼のキャリアでもっとも創造的な時期である。多くはかつて、エヴァ・ガードナー、グロリア・ギネス、モナ・フォン・ビスマルクといった顧客のものだった。

新しいシルエット

バレンシアガはクチュールの巨匠と呼ばれた。彼が生んだシルエットは、いまも定番として残っている。チュニック、サック、ベビードール、シフト、エンベロープ・ドレス。これらの形は体に沿わない。布と着る人のあいだに空間をつくる。

展示品の中には、1955年にパリでつくられたセリーズ色の絹タフタのイブニングドレス、1967年の黒いガザールのイブニングドレス、1960年代初めの刺繍のイブニングドレス、そして1962年にスペインのレーベル Eisa のためにつくられた螺旋形の絹の帽子があった。

服の横には、めったに見せられないものが並んだ。アーカイブのスケッチ、紙の型紙、写真、布見本、ランウェイの映像。1968年、仕事中のバレンシアガを撮ったアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真。1948年、マレ地区の大道芸人たちのあいだでバレンシアガのスーツを着たモデル、エリーズ・ダニエルズを撮ったリチャード・アヴェドンの写真。写真は、ドレスだけでなく、それが暮らしの中をどう動いたかを記録している。

X 線で透かして見る

この展覧会を際立たせたのは、服の調べ方だった。V&A はそれを、一着ずつがどう組み立てられたかを探る法医学的な調査と説明した。

2016年、作家ニック・ヴィージーが、1955年の絹タフタのドレスを含むバレンシアガの数点に X 線をあてた。画像の中で絹はほとんど消える。現れるのは、ふだん隠れているもの。縫い目、裏地、中に誰もいなくてもドレスが形を保てるようにする補強。

博物館はロンドン・カレッジ・オブ・ファッションとも協力し、いくつかの型紙をデジタルで再現した。来場者は完成したドレスだけでなく、それが裁たれたパーツと、それらがどう組み合わさったかを見た。ふだんは内側に隠れている裁断の技が、光の中に持ち出された。

何世代もの師

最後の部分は、30人以上のデザイナーを通してバレンシアガの影響をたどった。彼の近くで働いた人々、ユベール・ド・ジバンシィ、アンドレ・クレージュ、エマニュエル・ウンガロ。のちに来た人々、1967年のイブニング・ミニドレスのパコ・ラバンヌ、オスカー・デ・ラ・レンタ、セリーヌのフィービー・ファイロ、J.W. アンダーソン、アーデム、モリー・ゴダード、ニコラ・ジェスキエール、デムナ・ヴァザリア。

並べてみると、これらの服は、彼の遺産が一つの型のドレスにではなく、服を空間の中に建てるものとして考える、その考え方にあることを示していた。パリで同時代を生きたクリスチャン・ディオールが、彼なりの仕方で体の輪郭を考えたように。

展覧会の名は「Shaping Fashion」。来場者が持ち帰ったのは、おそらく新しい見る習慣だった。一着の服の前に立ち、その内側に何があるのかを問うこと。


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