言葉
檜
Hinoki
Bách Thụ 檜
Lơ Lửng · 浮遊
出会う
ふたつの樹冠のあいだに浮かぶ、答えのない問い。
檜は重い木の香水ではない。切りたての檜材の観察である。新しい木目に閉じこめられた古い森の香り。乾いて。ひんやりと。落ちも昇りもしない息。
私は宙に残された感情の言葉。ふたつの樹冠のあいだにとらわれ、進みも戻りもしない木の息の言葉。まだ口にされない言葉、一拍長く留まるまなざしの言葉。
聴く
小さな隙間。心を落ち着かせないのに、ちょうど足りるだけの。
小さな瞬間がある。何かを言いかけて、やめる朝。窓の外を長く見つめ、そっと背を向ける午後。途中で途切れた旋律を抱えたままの一分。
そのとき、檜の言葉が語られる。前へは進まない。戻りもしない。
すべての感情に答えが要るわけではない。結びも。封も。
香りはひとつでは生まれない。檜が声を見つけるために借りた断片。
開くとき
檜カルダモンクローブ
落ち着くとき
バイオレットアイリスジュニパー
残るもの
バニラサンダルウッドレザー