言葉
ジャスミン茶
Jasmine Tea
Trà Nhài ジャスミン茶
Rúc Rích · くすくす
出会う
くすくす笑い。ふたつのものが、一緒に笑えるほど親しくなったときに起こること。
ジャスミン茶は単一の花のジャスミン香水ではない。花と葉を十分に長く並べておく観察である。花が葉に香りを移す。葉が花を受け入れる。親しくなったふたつのもののあいだの、心得たまなざし。
私はごく小さな喜びの言葉。言わなくても、ひとつの香りを分かち合うふたつのものの言葉。ありふれた一日のなかの、静かなくすくす笑いの言葉。
聴く
やわらかなくすくす笑い。一日をまるごと抱えられるほど温かい。
小さな瞬間がある。ジャスミン茶を淹れながら、何ということもなく笑う朝。誰かの香りがまだ袖に残っていると気づく午後。ふたつの香りがひとつになる一瞬。
そのとき、ジャスミン茶の言葉が語られる。花を見せる必要はない。静かな旋律のなかの、ひとつの外れた音だけ。
すべての喜びが大きな声である必要はない。見せるためでも。説明するためでも。
香りはひとつでは生まれない。ジャスミン茶が声を見つけるために借りた断片。
開くとき
ジャスミンクラリーセージベルガモット
落ち着くとき
緑茶カロン竹
残るもの
ベチバームスクサンダルウッド
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
ジャスミン茶の言葉では、静かな喜びのひとつひとつが大切だ。
ジャスミン茶は、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。袖にのせる、軽い花のひと重ね。
あるいは、分かち合うためのくすくす笑い。まだ名のないこと。見せる必要のない話。ただ聞かれるために。