言葉

白芙蓉

White Fuyo

Phù Dung Trắng

Vương Vấn · 名残

No. 9944 フローラル

出会う

名残。色は変わったのに、まだ心を離れないから。

白芙蓉はありふれた白い花の香水ではない。一日を通して色を移す花の観察である。夜明けに白。昼に桃色。夕暮れに赤。ひとつの花、三つの状態。

私はもう過ぎ去ったものの言葉。夕暮れの花びらにまだ残る朝の跡の言葉。花は先へ進んだのに、心は進まない言葉。

白芙蓉 素材のマクロ
聴く

もう去った。それでもまだ名残る。

小さな瞬間がある。明日には散ると知りながら白芙蓉を見る朝。かつて誰かのものだったというだけで、もう使わない小さな物をとっておく午後。忘れたと思っていた歌に、黙りこむ夕べ。

そのとき、白芙蓉の言葉が語られる。戻る必要はない。抱えているだけでいい。

すべての想いが言葉になるわけではない。はっきりとも。悲しくもなく。

香りはひとつでは生まれない。白芙蓉が声を見つけるために借りた断片。

開くとき
ブラックベリーマンダリンリーフ白芙蓉
落ち着くとき
セレウスローズネロリ
残るもの
ムスクサンダルウッドバニラ
こだま

持ち帰る香り。分かち返す片隅。

白芙蓉の言葉では、名残のひとつひとつが大切だ。

白芙蓉は、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。移ろうことを知る花のひと重ね。

あるいは、分かち合うための一角。もう朝の名前とは合わないこと。変わらなさのいらない話。ただ聞かれるために。