言葉
ほうじ茶
Hojicha
Trà Hojicha ほうじ茶
Rì Rào · さざめき
出会う
やわらかさを失わずに火をくぐる、しなやかな強さ。
ほうじ茶は茶の香りの香水ではない。火をくぐる緑の葉の観察である。炭火でゆっくりと焙じる。色が変わる。声が変わる。煙。木。温かな灰。
私は静かな動きの言葉。静かなしなやかさの言葉。火をくぐり、なおやわらかい葉の言葉。
聴く
ただ、さざめくだけのものもある。
小さな瞬間がある。風の朝。ゆっくりと息をする夜。穏やかさのほうが勇気ある選択だと気づくとき。
そのとき、ほうじ茶の言葉が語られる。言葉はいらない。それを聞き取れるだけの広さがあればいい。
すべてのリズムに頂点が要るわけではない。注目のためでも。証明のためでも。
香りはひとつでは生まれない。ほうじ茶が声を見つけるために借りた断片。
開くとき
イチジクベルガモットベイリーフ
落ち着くとき
茶葉シダーウッドベチバー
残るもの
干し草ベンゾインアンバー
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
ほうじ茶の言葉では、ゆっくりとした物語のひとつひとつが大切だ。
ほうじ茶は、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。静かなぬくもり。
あるいは分かち返す片隅に。まだ名づけられていないもの。助言を必要としない物語。ただ聴かれるためだけに。