エッセイ · デザインとしてのファッション
「Margiela, les années Hermès」。
Margiela, les années Hermès.
ひとりのデザイナー、二つのメゾン、同じことを言う二つのやり方。
Musée des Arts Décoratifs (MAD Paris) · Musée des Arts Décoratifs (MAD Paris)
1997年から2003年まで、マルタン・マルジェラはエルメスのウィメンズ・プレタポルテをデザインした。連続する十二のコレクション。同時に、1988年に創設した自身のレーベル、メゾン・マルタン・マルジェラも率いつづけた。
書類の上では奇妙な組み合わせだった。エルメスは、革と鮮やかにプリントされたシルク、長い伝統をもつ工房のパリのメゾン。マルジェラは当時、慣習を壊すことで知られていた。むき出しの縫い目、大きすぎる形、再利用された素材、単色。
MAD パリによれば、マルジェラはエルメスに、裁断と色の純粋さをもたらした。メゾンの色鮮やかなプリントの世界から離れ、静かなモノクロームのパレットを選んだ。彼が求めたのは、着心地、時代を超えること、控えめな官能、素材の誠実さだった。
彼はエルメスのアトリエと工房とともに、比類ない素材と多くの新しい技術を用いて仕事をした。自分のレーベルでは、服がどう組み立てられているかを見るために服を解体した。エルメスでは、よい素材にそれ自体を語らせた。
オレンジと白
展覧会はまずアントワープのモード美術館 MoMu で、2017年3月31日から8月27日まで、館長カート・デボのもとで開かれた。翌年パリに巡回し、装飾芸術美術館が2018年3月22日から9月2日まで展示した。チーフ・キュレーターはマリー=ソフィー・カロン・ド・ラ・カリエール。
マルジェラがアーティスティック・ディレクターを務めた。空間はボブ・ヴェルヘルストが設計した。百を超える装いが、写真や短い映像とともに、テーマごとの流れに配置された。MAD の数えでは、小物を合わせたシルエットは98体。
構成そのものが、目に見える比較になっている。エルメスのオレンジとメゾン・マルタン・マルジェラの白が、順路に沿って出会う。訪れる人は、自分がどちらのメゾンの前に立っているかを知るのにキャプションを必要としない。色がすでに告げている。
その白には名前がある。ムーボン・ホワイト(Meubon white)、マルジェラの署名だ。服のラベルも同じ精神に従う。名前が何も印刷されていない、四つのステッチでとめられた白い布一枚。何も載せていないからこそ、人はそれを見分ける。
二つの考え方、ひとつの問い
題名はエルメスの年月を語るが、本当の主題は二つのメゾンのあいだの空間だ。一方は職人の技の継続を抱え、もう一方は慣習を疑う。一方は保ち、もう一方は解体する。マルジェラは同時に両側に立っていた。
そんなデザイナーなら自分を二つに割るだろうと思うかもしれない。展覧会が示すのはその逆だ。どちらの場所でも、彼は取り去った。色を減らす。柄を減らす。名前を減らす。自身のレーベルでは引き算が目に見え、エルメスではそれがほとんど見えない抑制になる。
マルジェラは公の場に姿を見せないことで知られる。自分についての展覧会で彼がアーティスティック・ディレクターを務めたことは、その意味で重要だ。彼はやはり前に出て語りはしない。けれど、物がどう見られるかを決めている。
部屋を出たあとに残るのは、特定の一着ではない。ひとつの考えだ。贅沢と異議はひとつの言語を分かちあえる。どちらも、名乗ることより素材を信じるかぎりは。