エッセイ · 嗅覚アート

ペルセフェニー「Praying to the Gods」。

Persephenie. Praying to the Gods.

嗅ぐには、身をかがめなければならない。

ペルセフェニー「Praying to the Gods」。ギャラリーの床と壁に沿って低く置かれた植物、お香、自画像

The Institute for Art and Olfaction · The Institute for Art and Olfaction



チョン・キン・ロードでの二度目の個展

「Praying to the Gods」は、ロサンゼルス、チョン・キン・ロード932番地の Institute for Art and Olfaction のギャラリーでの、ペルセフェニーの二度目の個展である。会期は2026年3月28日から4月24日まで。3月28日土曜日の夜に開幕した。

そこでの最初の個展は2024年3月の「Talisman: Meditations」。二年後、彼女はより大きな主題を携えて戻ってきた。畏敬、そしてそれが身体のどこに棲むか。

素材は四つ。植物、香り、お香、自画像。はじめの三つは嗅覚に属する。最後のひとつは視覚に、そして作家自身に属する。並べて置かれると、祈る者もまた祈りの一部だと示唆する。

2004年からの調香師

ペルセフェニーはロサンゼルスを拠点に、アーティスト、調香師として活動する。2004年に香りのスタジオを開き、2006年から香りの講座を教えている。

IAO によれば、彼女の実践は中世中東の香水づくり、お香の歴史、西海岸のナチュラル・パフューマリー、そしてインド、カンナウジのアタールの伝統に根ざしている。その香水は天然素材、複雑さ、土のような性格に傾く。

これらの源には共通するものがある。どれも香りを、儀式に、場所に、ゆっくりした時間に結びつけている。アタールはインドの蒸留された香油。お香は煙が立ちのぼるよう焚かれる木と樹脂。どこでも香りは、人がまとうものである前に、捧げるものだった。

すべてを低く置く

展覧会の鍵となる決定は高さだ。要素は低く、地面の近くに、壁に沿って置かれる。目の高さの台座はなく、部屋の中央にショーケースもない。

だから来場者は降りていかなければならない。よく見るには、かがむ。嗅ぐには、膝をつく。展覧会ページの作家の言葉では、膝をつき、見て、嗅ぐことが注意と無防備さの行為になる。畏敬は抽象的な観念ではなく、身体がすることになる。

ギャラリー空間のめずらしい使い方だ。美術館はふつう物を持ち上げ、台座に載せ、照らし、来場者を立たせて見せる。ペルセフェニーは逆をする。物を低くし、来場者をそれに従わせる。

来場者は何を感じるべきか告げられない。ただ、ある姿勢に置かれるだけだ。あとは鼻と膝がする。

嗅がれる存在としての植物

「Praying to the Gods」で、植物は飾りではない。匂いを通して出会う、生きた存在である。鉢植えは一秒の視線で通り過ぎることもできる。そのそばに膝をついて嗅ぐと、来場者はより長く、より近くにとどまり、それを違ったふうに見る。

お香は別の方向にはたらく。来場者が身をかがめるあいだ、煙は立ちのぼる。ひとつの部屋にふたつの逆向きの動き。物質は軽くなって昇り、人は重くなって降りる。それは祈りのもっとも古い姿として読むこともできる。

自画像は、これらすべてがある特定の身体を通っていることを思い出させる。抽象的な信者ではなく、二十年以上香りとともに働いてきたロサンゼルスのひとりの女性。太平洋の向こう側の生業としてのお香については、同じく IAO でのアリアナ・ペトリッチの「The Water and the Wind」が対をなす。