エッセイ · 写真

リズ・デシェーヌ(Liz Deschenes)「Gallery 7」

Liz Deschenes. Gallery 7.

この写真は、前に立つ人によって変わる。

リズ・デシェーヌ「Gallery 7」。ウォーカー・アート・センターの窓のある展示室に立てられた銀のフォトグラムと青いプリント

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夜からつくられた写真

リズ・デシェーヌはニューヨークを拠点とする作家。写真を扱うが、カメラはめったに使わない。作品の多くはフォトグラム、感光紙に光を直接触れさせてつくる写真である。

彼女の方法は伝統とは違う。暗室で紙の上に物を置くのではない。印画紙を屋外に持ち出し、夜のかすかな環境光の下に置いておく。紙はそのあと銀調色液で処理される。表面は銀色の光沢を帯び、鏡に近いが、決してそれほど完全ではない。

結果は、彼女には制御できないものに左右される。温度、湿度、その夜にどれだけの光があったか。一枚一枚が、ある特定の一夜の記録である。像は何も撮られない。紙の上に残されるのは、空気の状態だけ。

開かれた部屋

2014年11月22日から2015年11月22日まで、ミネアポリスのウォーカー・アート・センターはデシェーヌに7階の展示室をまる一年託した。1971年の開館当時、その部屋は Gallery 7 と呼ばれていた。デシェーヌはその古い名前を取り戻し、タイトルにした。

彼女の最初の一手は、長年のあいだに加えられた仮設の壁を取り除くことだった。東向きの窓がふたたび現れた。日の光がまた部屋に入った。

それから彼女は、自立する長方形のパネルを空間に置いた。あるものは銀のフォトグラム。あるものは新しい試みで、アクリルにデジタル顔料プリントを施した、いくつかの単色の青。パネルは部屋を通る道筋を変える位置に立った。来場者はまわりを歩き、歩みをゆるめ、向きを変えなければならなかった。

パネルの比率はインデックスカードから取られた。それは「c. 7,500」への目配せだった。ルーシー・リパード(Lucy Lippard)が1973年に企画した女性作家によるコンセプチュアル・アートの展覧会で、ほかならぬウォーカーでも展示され、インデックスカードが一役を担っていた。

部屋の中の物としての写真

「Gallery 7」では、見る者は壁の写真を眺めるのではない。物のあいだを動く。銀のパネルは光を吸い込み、また反射する。その表面に、見る者は自分のかすかな姿、窓、通り過ぎるほかの人を見る。東からの朝日は、部屋を午後とはまるで違うものにする。

だから作品は二度と同じには見えない。表面を滑る光、人の立つ位置、季節に左右される。一年の展示は、絶えまない変化の一年である。

一年は、表面そのものが変わるのに十分な長さだ。銀調色のフォトグラムは敏感な表面であり、光や空気に対してまったく不活性というわけではない。最初の月の来場者と最後の月の来場者は、同じ作品を見なかったのかもしれない。

デシェーヌは、多くの写真家が無視する問いを立てる。展示の条件は写真の一部なのか。彼女にとって、答えはイエスだ。写真はプリントされたところで終わらない。それが立つ部屋の中で生き続ける。

トーマス・ルフも「Photograms」でフォトグラムをつくるが、それはすべてが計算された仮想の暗室の中でのことだ。デシェーヌは逆へ向かう。作品を、計算できないものに委ねる。夜、湿度、窓、そして見る人々の足音。