出会う
大きな炎を必要としない温もり。
レッドムスクは見せるための麝香ではない。肌の下でゆっくり燃える温もりへの観察である。くすぶる。シナモン。木。バニラ。
私は、小さな火の言葉。急がない香りの言葉。人が去った後に残る温もりの言葉。
聴く
炎のない火がある。
小さな瞬間がある。手は温かいまま冷めていく一杯のお茶。まだ誰かの気配を残すマフラー。明かりを消しても、まだ冷えない部屋。
そのとき、レッドムスクの言葉が語られる。燃え上がらない。残るのに足りるだけ、長く燃える。
すべての温もりに火は要らない。輝かなくていい。騒がなくていい。
香りはひとりでは生まれない。これは、レッドムスクが自らの声を見つけるために借りる断片。
開くとき
ラベンダーオレンジブロッサムベルガモット
落ち着くとき
シナモンクローブ
残るもの
ムスクバニラグアヤックウッド